給与計算のお話~給与の決定Ⅱ

 こんにちは(こんばんわ)1月ぶりです。

前回は社員の給与を決定する際、何を基準(その人の仕事の内容、能力や資格、役割、・・etc)に決定するか?というお話をしました。今回は給与の決定・支払の前提として「会社の支払能力」について考えてみましょう。

月々の給与は貰う側の社員は多いに越したことはないでしょうが、無制限に給与を引上げると経営は成り立たなくなってしまいます。(一度引上げた給与はそう簡単に引下げられませんので、ご注意ください。)

そこで、各社員の個別給与を決定する前に「人件費総額」を決めてから個別給与項目を決定したほうが良いのではないかと考えます。一般的に「総額人件費管理」とか「総人件費マネジメント」等と呼ばれています。

それでは、何を基に人件費を決定するか?という問題ですが、会社の支払能力を判断するいくつかの指標(チェック項目)がありますので、検討してみてはいかがでしょう。

(1)付加価値・・・会社が経営活動の中で新たに生み出す価値の事であり、売上高から費用を差し引いたものを指します。(例えば100円でお肉を仕入れ、料理して200円で提供した場合の差し引き100円が付加価値です。)付加価値が高いという事は、人件費として支払うお金を確保できるという事ですので、総人件費として会社がどの程度の支払に耐えられるかを判断するためにチェックする事をお勧めします。

(2)労働分配率・・・上記の「付加価値」は、人(人件費)、物、利益、税金などの支払などに充てられますが、そのうち人に充てられる割合を労働分配率と言い、次の数式「労働分配率=人件費÷付加価値×100」で表します。一般的に労働分配率が低い方が会社として健全とされますが、会社がたたき出す付加価値が低く、労働分配率まで低いと、当然ながら給与は低い水準になりますので不満がたかまるでしょう。逆に労働分配率が高いと資金繰りが厳しくなります。

(3)労働生産性・・・これは1人当たりの付加価値額の事であり、「労働生産性=付加価値額÷社員数」の数式で表わされる通り、労働生産性が上がるという事は、付加価値額が上がるという事であり、会社の支払能力も上がりますので、労働生産性は高いほど良いという事になります。逆に労働生産性が低い場合は、付加価値額が低下し、労働分配率が高くなります。労働分配率が高いという事は、お金が無い状態に陥る可能性大です。

これを機会に、会社の労働分配率と労働生産性を把握し、会社のあるべき人件費を検討してみてはいかがでしょうか・・・・・・・・・・・・・・・?

(特定社会保険労務士 松田秀樹)